被差別民を考えてみる  (参) 安倍晴明  


恋しくば たづね来てみよ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉

ご存知 信太の狐 です

あらすじは以下の通り

倍保名(あべのやすな)は、ある日、和泉国信太(しのだ)の森で狩人に追はれた狐を

助けたことがある

恩を感じた狐は女の姿となり、「葛(くず)の葉」と名告り、保名の妻となって一児をまうけた

ある日、庭の菊の花に見とれて狐の本性を子どもに悟られてしまい、狐は歌を書き残して

去っていった

その子供が、後の安倍晴明だと語り継がれている・・・


どういう訳か日本には「狐神話」が多く残されています

どうして「きつね」だったのか?

私の中では「き・つ・ね」という音・言葉が重要だと思っています


おそらく「きつね」という言葉は、本来動物の「狐」ではなく

砂鉄を採取したり、製鐵に欠かせない炭を焼く民だったり

権力者から搾取される民、敵対視される民の蔑称ではなかったかと

考えています


日本の古代史、神話の真相は「鉄の利権の争奪」だと私は考えていて

八岐大蛇神話ももスサノオ神話もすべて「製鉄」に着目すれば、氷解する

ようなものばかりだと思っています


鞴(ふいご)の火力を夜通し監視する役目の人間を【寝ずみ】といい

その影響から、片目の視力を失うことになり「一つ目小僧」妖怪話に

残されてしまったり

鞴の板を踏む人間を「番子」といい、その動作を交代しながらすることを

【かわりばんこ】と言ったといいます


キ チ ネ

これは、私たちは帯を解く者である という意味に解釈できる言葉で

いわゆる「身を売る女性」の意味で、蔑称とも考えられます


葛の葉(くずのは)という名称も、奈良県吉野地方に住んだ人々で

くず、クズ,国栖、葛と称された人々が居たこと、さらに

「は」とは頭(かしら)のことで、権力に反抗する集団「くず」のトップが

「くずのは」という意味ではないだろうか・・・・


その「クズ」と何らかの関係が有って、アンダーグラウンドの世界に通じていた

安倍晴明がその力を使って、権力者の「汚れ仕事」を担ったがゆえに

立身出世をしたと思っています




前回、幼少のころ賀茂忠行のお供をしていて、夜道に鬼の姿を見て忠行に

知らせ、忠行は晴明が優れた才能を持つことを悟り、陰陽道のすべてを教え込んだ

そんなはずはないと書きましたが・・・

安倍晴明は忠行の弟子ではなく、忠行の子・保憲の弟子だという説が有ります

保憲の生年が917年といい、安倍晴明は921年の生まれとされている

この保憲は鋭敏な人物で35歳の時に父親の位階を抜き去り従五位下に昇進して

います

その時の安倍晴明の年齢は31歳であり、未だ大舎人に任官して3年ほどで

陰陽師の片鱗すらうかがい知れないのです

晴明が40歳で天文学を学ぶようになったとき、すでに師である保憲は44歳

で殿上人となっていたわけですから、40歳を過ぎた男をお供にするわけもなく

弟子にしたというのも解せないのです



安倍晴明に陰陽道を伝授した賀茂氏は、大和国葛上郡鴨を本拠としています

ここにも「葛」との結びつきが感じられます



なぜ狐「葛の葉」の子供(童子丸)が安倍晴明で、奇怪な術を使ったと伝わったのか

どうして40歳過ぎて天文学を学び始めた安倍晴明が、破格の出世をしたか・・・

そこに、藤原道長の政治権力の支えとなった可能性があるのではないだろうか


この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば


この過剰とも思える自信はダーティーな仕事を担う安倍晴明とその集団のチカラが

有ったからではないかと私は考えています


出自も定かではなく、20代後半に最下級役人だった男が、晩年異例の出世を

した背景に貴族たちの個人情報を集め、藤原道長のもとに集め、陰でその手足と

なって働いたからこそ、異例の出世ができたのだと考えています


半島帰化人の末裔で、出自も定かではない人間が40歳を過ぎたころから

異例の出世をし、歴史に名を残した・・・・


天皇や貴族たちが穢れを嫌い、夢想の世界で生きてこれたのも

差別され、虐げられた人間の「影のチカラ」を巧みに利用したからだと

私は感じています

個人情報を収集し闇から闇へ雑事を処理し、公卿や天皇の手足となって働いた

それが陰陽師・安倍晴明ではなかったかと思っています


最後に通説では安倍晴明がいろいろな呪術を駆使したように

語られていますが、その当時「呪」を行うことは死罪にも相当する

禁じられたことでした

平安の歴史を見れば、親王であっても、呪ったか否かに限らず

重罪になった歴史を見ればわかります

そんな時代に「呪」を行う事などナンセンスで、過去の人間が安倍晴明の

権威づけに創作したものだと思えます

泥どろとした世界の中で、現代のCIAやFBIのようなダーティー

な部分で活躍した人間、それが陰陽師・安倍晴明という人間

だったのではないでしょうか


安倍晴明が大好きな方々には申し訳ないですが、おそらく

そういう事だろうと私は考えています。

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Posted on 2017/08/17 Thu. 23:10 [edit]

category: 歴史

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コメント

平熱のipadさんへ

はじめまして

韓国ドラマを評するとき「夢想」という表現をします

事実とは大きくかけ離れた「夢幻」が既成事実化され

虚実の区別がつかない人も居ます

それはこの日本でも同じで、時代考証の稚拙さなどNHKを

観れば明らかです

ただ、おかしいものは「おかしい」と言える人間でありたいと

記事にしてみました(笑)

自分もこの先どう展開するのかわかっていませんけど・・・

URL | 長屋の爺 #-
2017/08/20 21:57 | edit

初めまして。とても面白いです!続き楽しみにしています。小説で読みたくなる。

URL | 平熱のipad #-
2017/08/19 01:15 | edit

kuonさんへ

こんばんは

安倍晴明については「なぜ」が、昔から頭の隅にあり

色々な可能性を考えてきました

晴明という名も後世には「清明」とされた文献もあります

清くないから「清」という文字に拘ったのか?

あくまでも長屋の爺の妄想ですけど(笑)

URL | 長屋の爺 #-
2017/08/18 19:21 | edit

おはようございます。

面白いです。面白いです!。

URL | KUON #-
2017/08/18 08:19 | edit

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