被差別民を考えてみる (壱)  


やぶ医者と聞くと「とんでもないへたくそな医師」を連想します

インチキではないけど名医ではない・・・下位ランクの医者でしょうか

この「やぶ医者」にまつわるのが【陰陽師】という説が有ります


陰陽師や山伏の中には、民間に伝わった伝統的な療法で貧しい人たちを

治療していた人も居たと言われています

つまりは、祈祷だけでは病は治らないことを、すでに理解していたことになります

そういうことから、【巫術(ぶじゅつ)】で治す彼らの事を 【野巫医者】と呼びました


さて・・・

日本にアニミズムが広く信仰されていたのはいつの時代までだと思います?

意外と知られていないようですが、聖武天皇が国分寺・国分尼寺を全国に

設置した頃は、未だ「自然神」を崇拝・信仰していたようです

たしかに仏教はそれ以前から日本に渡ってきていましたが、皇族や

貴族の間だけで一般庶民には当時は無縁の宗教だったからです


現代人が陰陽師を知ったのはいつ?

陰陽師が一般の日本人に広く認知されたのは、夢枕獏氏の「陰陽師」から

私はそう思っています

私の親世代の方に聞いても、「そんな話は聴いたことが無い」と言います

なぜなのか?

じつは明治初頭に禁止令が出され、布教活動や陰陽師を名乗る事が

禁止されたからです

明治新政府は宮中の陰陽寮を廃止し、全国の陰陽師を支配していた

土御門家も、「固陋(ころう)ニノミ流レ秘伝秘事ナドト相唱来リ恥ズベキ

次第ニ御座候」と、さっさと手を引いてしまったからです



だから、夢枕獏氏の「陰陽師」を見るまで、日本人は陰陽師など知らなかった

そういう事なのである


ある日突然脚光を浴びた「陰陽師」

その実情は複雑で野村萬斎氏のような「スッキリ」系ではないと思われます

陰陽師は宮中・陰陽寮に属する役人ですが、特殊な知識を以て仕えていた

しかし、陰陽師の位階は低く【従七位上】、陰陽博士でも【正七位下】まで

それを束ねる「頭」の土御門氏でも【従五位上】という身分だった

六位以下は貴族と思われない時代だから、「ヒト」扱いされていなかった?

通説のように貴族の周りで「易」をみたり、貴人の相談に乗ったりしていた割に

身分が異常に低い事が、大きな意味を持っている気がします


私は宮中陰陽師は貴人の「汚れ仕事」を担っていたと推測しています

しかも彼らは渡来人(半島系の帰化人)だった可能性があり

貴人の「穢れ」を「祓う」ために都合よく使われていたと私は考えます




穢れとは、死・産・血・糞尿などの排泄物です

その「汚穢(おえ)」は「穢気」となって空中を浮遊するとされ

汚染を食い止め、その汚染されたものを浄化するために

「清目(きよめ)」「祓(はらえ)」が必要となったのです


そこで陰陽師の役割が大きくなったと思われますが

私の推測では仏教が日本に入って来るときに、道教的な

考えが合わさって入ってきた可能性があるような・・・

* 道教は陰陽五行説や占星術や「易」を援用します

(これが陰陽師の特殊技能と言えるかもしれません)

* 古来の「卜占」「蠱術」や「鬼道」(シャーマニズム)を利用した

(日にち、時間、方角、道順などを占なったりした)

* 独自の護符(霊符)を多用して、ときに調伏も行った

(出入り口などを邪が入らないように封印をした)

* 錬丹術や錬金術を追求し、金丹などの薬物生成に長じる

いわゆる「不老不死の薬」と言われるもの

(民間陰陽師や修験者は「丹(水銀)」を求めて山に分け入った)

* 神秘的な「符」を用いて護身や鬼の使役ができると考えられた

(これが安倍晴明が式神を駆使したとされる根拠でしょう)


陰陽師になるには暦学や天体学など高度な学問を学んで

ようやく陰陽師になれるのだが、民間の陰陽師はどうして

そういう勉強をしなくて陰陽師になれたのか?


本来のシャーマンとされる人々は古代アニミズムを受け継いで

大自然の神々に祈る事で病気や悪霊、邪気を追い払う役目を

担っていたと想像できます

日本に古来から伝わるシャーマニズムには天体観測などの

知識ががすでに含まれていたのか、あるいは宮中の陰陽師

からはみ出した人物が広く陰陽道を広めた結果なのかは

定かではない・・・


明治になるまで陰陽師系の人々は平民では無かった

かと言って「穢多」「非人」でもなかった

いうなれば【雑種賎民】として位置づけられていた

農工商でも穢多・非人でもないが、差別あるいは区別されていたことは

間違いないと考えます

次回は陰陽師・安倍晴明の話でも・・・

(つづく)


* 雑種賎民系とは色々な「名称」で呼ばれていた

 宿(しゅく) 夙(しゅく) 烟亡(おんぼう) 寺中(じちゅう)

万歳(まんざい) 産所(さんじょ) 算所(さんじょ)

歴代(れきだい) など・・・・

宿・夙とは、猿楽能や万歳などの遊芸と除災招福の加持祈祷

をする集団の事

烟亡(おんぼう)は火葬・埋葬の世話をし墓守をする人のこと

歴代は土御門家の支配下にある陰陽師の事

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Posted on 2017/08/09 Wed. 21:36 [edit]

category: 歴史

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